ある夫婦の話。
なんでもないことに彼女が夫にブチ切れた。
こうなった彼女はもう手がつけられない。
その時に夫は心を無にし、右耳と左耳の間にある通路のドアをそっと開けた。
夫婦円満って大事ね。
こんにちは、視点蝶です。
日本ではもうすぐ選挙ね。
選挙といえば、いろんな「感情」が渦巻く一大イベント。
喜びもあれば、悲しみもあり、憎しみもあり、無感情もあり、感情がたくさん。
逆にいうと「理性」も渦巻く一大イベントともいえる。
いろんな意見のぶつかり合い、論理的な分析、情報合戦、悪知恵、理性がたくさん。
いろんなものが渦巻いて、その結果は何が生まれるのかしら。
そんなわけで今回は「理性と感情」のお話。
イギリスのEU離脱の国民投票
イギリスのEU離脱の国民投票の結果を視てて思ったわ。
「ああ、イギリス国民は感情によって選択したのね…」と。
イギリスの情勢やEUについてはよく知らないけれど、ふしぶしの情報から、「理性の残留派」と「感情の離脱派」のようにみえる。
感情によって選択されたこの決断から、イギリスまた世界は今後「ロクでもないこと」が起こるとわかってしまったわ。
感情的になると「短絡的な答え」に飛びつく
誰でも知っていると思うけど「感情的に物事を判断する」ことはマズイ。
ほんと子供から大人まで、誰でも知っていると思うけど。
感情で選択するということでマズイのは、目先の「短絡的な答え」に飛びつきやすくなること。
「短絡的な答え」ということは、知性のある人間として、頭で考えた理屈はほとんどない。問題点を洗い出すことも、原因を探求することも、課題や解決策を考えることに頭を使うこともない。空っぽの答え。スカスカのカスカス。
わかりやすい例だと、
「テストの点が悪いから、勉強時間を増やせばいい」
「太ってきたから、野菜しか食べないようにしよう」
「息子がお金に困っているから、お金を振り込もう」
といった感じで短絡的に答えを考えるようなもの。
そんな答えがその後、よい結果を生みだすわけがない。
一時的にはよさそうな結果が訪れたとしても、いずれ訪れるのはロクでもないこと。
先の例だと、
「勉強時間を増やした結果、たいした効果もなく、勉強方法自体を改善してないので時間がただ無駄になっただけ」
「野菜しか食べないので体重は減るが、栄養が極端にかたより、体力や精神にも影響がでて、結局はリバウンド」
「息子にお金を払って息子を守り安心したが、それはオレオレ詐欺でした」
といった結果になるでしょうね。
このようなことが個人レベルならいいけど、国レベルになるとそうもいってられない。
訪れるロクでもないことは、一時的ではなく、何年も、また何十年も、はたまた永続的に悪い影響をおよぼしていくからやっかいかしら。
不安だから感情的になる
なぜ感情で選択したかといえば、「不安」が大きくなったから。
不安が大きくなれば、感情が大きくなれば、人は頭で考えることをしなくなる。
理性はどこかへ飛んでしまう。
その不安を今すぐにでもなくそうとする。なくしたいと強く願う。
そうすれば目に入るのは、短絡的に解決できそうな答え、早く実行できる答え、誰でもわかる簡単な答え、自分が苦しまない楽な答え。
ほんと「理想的な答え」ね。
今回の場合だと、移民が異常に増えてる問題や、テロが起きるかもしれない不安や、EU内の他の国の問題といったことなどが不安を助長させた。
しかし、多少の問題があったとしても、平常時なら理性でその問題に取り組もうとする。
だけどそうはならなかった。
「離脱」が選択されたということは、裏を返せばそれだけイギリス国民の不安が理性を超えるほど異常に高まっていたということ。
そりゃあ短絡的に「離脱」で、問題が全部解決しそうに思えてもしかたないわ。
アメリカの9.11テロ事件の後の戦争の選択
同じようなケースとして、「アメリカの9.11テロ事件の後の戦争」の選択がある。
テロによって大きな不安をかかえ、米国民は大きく感情に流され、短絡的な答えを選択し、戦争へと進んでしまった。
そしてその結果はご存知のように、ロクでもないことが起きたわ。
たくさんの人が亡くなり、たくさんの憎しみが生まれ、独裁者がいなくなっても民族同士の争いがおき、新たなテロリストが生まれた。
皮肉にも、今回の国民投票はこの件に大きく影響している。
アメリカ大統領選挙から視えること
近くにある「アメリカ大統領選挙」も不安に感じる。
当初は過激な発言のトランプ候補が残るわけがないと思われていたのに、大統領候補まで残った。
ここで大きく気になるのは、トランプ候補がどうのこうのという話ではなく、今の米国民が感情的になりやすい状況になっているということ。
つまりは、今のアメリカは異常に不安が高まっていることになるわね。
だから、あんな過激な発言にあっさりと共感をしめし、予想外のことが起きている。
今のアメリカはとても危険な状態にあるといえる。
もし感情でトランプ候補が選ばれるとなると、さらなるロクでもないが起きそうな気がする。
まとめ
不安が大きい時の多数決は、人は感情的になり、理性は消え、短絡的な答えに飛びつき、そしてロクでもないことが起こる。
いくら人間が知性をもった動物といっても、しょせんはその程度だわ。
不安になれば、恐れるし、怖がるし、泣くし、逃げるし、考えるのをやめる。
そういった不安が歴史に大きな影響を与えてきたし、いろんな失敗をしてきた。
人の歴史は結局それの繰り返し。
いつの世も理性は、多数による感情には勝てないので悲しいわね。
いえ、悲しいのは2人がいっしょじゃないことかしら。
2人が別れてしまうこと。
「理性」と「感情」はいつも一緒で夫婦円満じゃないといけない。
今後、どうも世界はロクでもないことが起こりそうな感じ。
理性で止めようとしても、感情たちを止められない。
理性をもった人間ができることは、せいぜい「ロクでもないことが起こるわね…」と気をつけ、どんなマズイことが起こるかを予想し、起こった時に耐えうる対応策を考え、実行するくらいのものかしらね。
(おまけ)イギリスEU離脱の投票前の銃撃事件について
残留派の議員の女性が撃たれ、亡くなった人がいたけど、それでイギリスの人々は「冷静」になると思い、残留を選択するのかと思ったわ。
でも結果としては、その影響はそうでもなかった。
そこで少し考えてみる。
この事件でたしかに人々は冷静にはなったし、「理性」を取り戻した。
しかし、逆にこの事件のせいで「感情」が大きく揺さぶられてしまったのでないのかしら?と考える。
理性は「10」あがったが、しかし感情は「50」もあがったような。
残留派がどっちで離脱派がどうとか犯人がどうといった事件の内容がどうのこうのでなく、人々はただ単純にその行為を恐ろしく感じた。
彼らの感じていた不安という想像が、ありありと目の前に現実としてあらわれた。
想像がリアルに変わり、「リアリティをもって恐怖を感じた」。
イギリスの人々の心には、まだみぬテロが目の前に起こったように感じたかもしれないわね。
ただ感じが似てるだけで「このまま残留だとそんなふうにテロが起こるのではないのか…」と、無意識に思ったのかも。
そうなると、より不安をよび起こすこととなり、取り戻した理性を覆い隠すほどの感情だったかもしれない。
起きたのは「理性」だけど、飛び起きたのは「感情」。
そうなるとその事件で「冷静」になったなんていうのは、浅はかな考えだったわ。