ある少年と少女の話。
お化け屋敷に入った少年と少女。少女はお化けがすごく怖かった。
突然お化けが飛び出て、驚いた少女は少年の腕にしがみつく。
お化けがいなくなり、少女は腕にしがみついていることに気づく。
「何勝手に私の腕にしがみついてるのよ!しかたないわね!あんたのために繋いでおいてあげるわよ!」
ツンデレって面倒くさいけど可愛いわよね。デレがあればの話だけど。
こんにちは、視点蝶です。
わたしが若いころは、ほんとよく忘れ物をしていたわ。
いつも何かを忘れていたわね。大切な何かとか。
ちなみに今も若いですけど。ほんとよ。
若いということを忘れたわけではないわ。
そういうわけで、今回は「忘却」のお話。
概要
福井市の女子校で、突然の雨で濡れているおばあさんを見たのをキッカケに、ボランティアで傘の無料貸し出し活動を始める。
しかし1ヶ月後には9割が戻らず。傘を目立つ色にしたり、返却先のメモをつけたり、ポスターを作ったりで工夫したが、返却率はあがらず。
費用もかさみ、震災支援などほかの活動も忙しくなったため、今年10年を区切りに活動をやめることとなった。
といった悲しいニュース記事を見たわ。
知らなかったけど、こういうのを「善意の傘」というみたいで、いろんなところでやってたりするようね。
そこで女子校の活動では、なぜ返却する人が増えなかったのか、傘について考えてみたわ。
傘は忘れる
傘ってよく忘れるわよね。
傘を持っていくけど、途中で晴れたりしたら、お店に忘れたり。
電車に乗っていて、降りる時にうっかり忘れたり。
わたしもたまに傘をなくしていたわ。
なんでこんなに忘れるのかしらね。
わたしが忘れっぽいの?
いえいえ、それとも傘がわたしに忘れされるのかしら?
傘って存在感が薄いわよね。
よほど高いものとか、お気に入りのデザインの傘といった思い入れがないと、忘れるわ。
それでも忘れたりはするけど。
雨の日には必要だから傘の存在を思い出すけど、晴れている日に傘のことを思うことなんてないわね。傘なんていたことすら覚えていない。傘なんてこの世にいたかすら忘れてしまう。そんな人いたかしら?状態ね。
なんでこんなに存在を忘れるのかしら?
いえ、忘れたいのか?というべきなのかしら。
やっぱり「嫌い」なんでしょうね。
傘は嫌われている
わたしたちは、傘を「わずらわしい存在」だと思っているわ。
例えば、こんなふうに。
雨の日に持っていかないといけないし、面倒くさい。
常にどこにいるのかを気をつかっていないといけないので、面倒くさい。
雨降るかとおもいきや、降らないと「私の苦労はなんなの!」と、イラつく。
かと思いきや、突然の雨。「なんで肝心な時にいないの!」と、イラつく。
傘がぬれると、閉じる時に触るのがイヤで「汚らわしい!」と、イラつく。
他人のぬれた傘があたると「汚らわしい!」と、イラつく。
風が強く骨が折れると「使えない!」と、イラつくし。
電車などに置き忘れると「なんで私についてこないのよ!」と、イラつくし。
強い雨だと、傘は防ぎきれず「ちゃんとシゴトしなさいよ!」と、イラつく。
自分の傘が誰かに盗まれると「なんで誰かのものになるのよ!あなたは私のものでしょ!」と、イラつく。
こんなに嫌われたら、嫌な存在なら、忘れたくもなるわよね。
普段は考えたくもない。そりゃあ、傘の忘却が進んでいくわ。
あれ?誰かに似てる?
たしかに、このような人がいたら嫌いになりますよね。
よほどの思い入れがないと。
まとめ
そう考えると、返却する人って少なくなるのはわかるわよね。
「善意の傘」を借りた人はこう思うでしょう。
「こんなに使えないあなたのために、なんでわざわざ私が晴れの日に、苦労してあなたを持って行かなきゃいけないのよ!」と言いたくもなる。
どこかで聞いたコトバね。
また、善意の傘と名乗っている傘に対し、「あなたは私に対し悪意のカタマリのくせに、なに善意ぶっているのよ!」とも言うのかしら。
もちろんこんなことをヒステリーちっくに口に出さないと思うけど、無意識でこんなことを思っていても不思議ではないわよね。
といっても返却しない理由は、他の要因もあると思うけど。
そう考えると「善意の傘」というボランティアはレベルが難解だわ。
「人の気持ちとの戦い」でもあるから。
まだ「ゴミ拾い」とかのボランティアのほうが、確実で簡単ね。
でもあえて難解なボランティアに取り組むのは、それはそれで大事なことかしら。
今回は「傘そのもの」について考えてみたわ。
で序章はお終いで、次回は本編。