本質感

世の中の出来事や日常をモチーフに、「セカイの本質」を考えみつける思考ブログ。物語とユーモアをまじえ、「あらたな視点」をあなたに

勝つことが目的の部活によって、世の中にはブラック企業が増える

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ある部活でのお話。
監督!相手より強くなるには、どうすればいいですか?
少年はライバルにどう努力しても勝てない、スランプ状況にいた。そんな少年に対し、監督は真摯に答える。
「心を強くすることだ…勝負というのは、最後は心の強さで決まるものだ!」

「具体的にいいますと?」
「そうだな…例えば、オマエに奥さんがいたとしよう。オマエは普通のサラリーマン。
そして、家に帰ってくると奥さんがこういう。『チッ、もう帰ってきたの?まったく安月給のくせにもっと働きなさいよったく。ホラ、暇なら洗濯してよ、このグズ!』
それに対して夫であるオマエは、ニッコリ笑顔で黙って洗濯をする。もちろん、洗濯機をまわして終わりでなく、洗濯物をたたむまでが洗濯だ。

そして夕食の会話。
オマエの奥さんは数時間、延々とオチのないつまらない近所の話をする。さらに近所の人と比較して、オマエにジャブやストレートのダメ出しを入れつつ。
それに対して、オマエはニッコリ笑顔で相槌をうちながら黙って聞いている。

さらに、オマエが趣味で集めている大切なフィギュアがあるとしよう。
何年もかけて集めた大切なものだ。中にはレアで高価なものも。ある日帰ってきたら、そのフィギュアが全部ゴミに出され捨てられてしまっていた。それに対して奥さんは、元々そんなものはなかったように、ソファで寝転がり尻を掻きながら普通にテレビを見ている。ぐふぇぐふぇと笑いながら。
それでもオマエは、ニッコリ笑顔で『ただいま』という。

…そんな生活を何十年と過ごす。もちろん、毎日ニッコリ笑顔でだ」
空をあおいで語っていた監督は、少年を見て静かにこう言った。

「それが、心が強いってことだ」

長い間があり、監督は真剣な顔からニッコリ笑顔をみせた。
とても完璧な、長い人生を物語る笑顔だった。
そんな監督を見て、少年は決心する。

部活を辞めようと。

※小話、長っ!

夕日に向かって駆け出す視点蝶

こんにちは、視点蝶です。

ごくたまに、何か物を取りにいって、その場についたら何をとろうとしたか忘れることがあるわ。
「あれ?何をとろうとしてたんだっけ?」と。

そして、その場でグルグル考えるけど思い出せない。
う~ん、う~んと唸るけど思い出せない。
まあ、余計なこと考えながら行動すると、そうなる確率が上がるのかな。

で、しかたなく元の場所に戻ると、ふと「ああ」と思い出したりする。不思議。
元の場所には、記憶が漂っているのかしら(笑)

そう、元の場所には不思議がある。

そんなわけで、今回は「目的」について。

勝つことが目的の部活

よく部活での体罰がニュースになったりするわね。
監督による暴行・暴言とか、過酷すぎる練習による事件など。

そこから思うのは、部活が「勝つこと」が目的になっていないかということ。
大会で優勝しなければいけない、全国制覇しないといけない、優秀な成績をとらないといけないと。
特に強豪校とかは。

部活は「生きるための教育」のために行うもの。
子供達が大人になって、生きていくための教育。
でも、「勝つこと」が目的の部活になると、それは生きるための教育ではなくなるわ。

例えば、勝つことが目的だとこんなことになる。

できるまでやらせる
一人ひとりに能力差があるのに、一律にできない子にまでやらせる。
できないと怒られる。でも、できない子はできないと。

一つも間違ってはいけない
スポーツでは、絶対にミスしてはいけない。
「間違ってもいいんだよ」という教育はない。そんな心の余裕はない。

休みなんてない
朝練、昼錬、夕錬、休日まで練習と。休みなくやらせる。
子供だって肉体的に安定、不安定になったりもするのに休みはないと。
また、部活だけに集中し、それ以外の活動はできないと。

立場を分けることになる
もちろん勝負の世界なのだから、優秀な人とそうでない人にわかれる。
悪くいうと、「使える人間」と「使えない人間」。
勝つためなのだから、そこは明確に分ける。そして、使えない人間には、たいした役割はない。

一人ひとりの個性なんてどうでもいい
その子のスポーツによる能力が、良いか悪いかの判断だけで終わる。
スポーツ以外の能力は高くてもどうでもいい。
また、その子がどういう気持ちで生きてるかなんてどうでもいい。

体罰をふるうことになる
どうしても勝ちたいのだから。どんな手をつかっても勝ちたいのだから。
そりゃあ、力をふるう。追い込んで、追い込んで、追い込む。
耐えられる子もいるけど、もちろん耐えられない子も。

これらは「生きるための教育」といえるのかしら?
もちろん、「これを生きるための教育だ!」という人もいるけど、私は違和感を感じるわ。

勝つことが目的の部活によって、ブラック企業が増える

部活とは、社会にでてからの団体行動の教育ともいえるのかな。
具体的には、「会社で働くための教育」。
学校での部活で人は学び、社会へ出ていく。

すると、部活でどう教育を受けたかで、会社での振る舞いが違ってくるわ。
で、「勝つことが目的」の部活をしてきた子は、もちろん会社でも勝つことを目的とする。
言いかえると、「儲けることを目的」として働く。

すると、どうなるかしら?
そんな子が先輩や上司、社長になったらどうなるのかしら?
先にあげたものを、「働く」に変えてみるとこうなる。

できるまでやらせる
仕事ができるまで、契約がとれるまで、ノルマが達成できるまでやらせる。
できないなんて言わせない、できるまでやらせる。儲けるためには絶対!
できなきゃ帰れないし、休みなんてない。
能力差があるので、できない人はとことん苦しい。

一つも間違ってはいけない
ちょっとでもミスしたら徹底的に攻められる。すごい説教される。
「間違っていい」なんて、そんな余裕なんてない。常にすごい緊張感でストレス。
儲けにミスは許されない。

休みなんてない
長時間残業、休みなし。そんなの当たり前。
儲けるために休みなんて生易しいこと言ってられない。
たいした能力がないなら時間で稼げ!働け、働け、働け!

立場をわけることになる
稼げる人と稼げない人が明確に別れる。いうなれば、使える人間と使えない人間。
部活だと使えない人間は無視されることがあるが、会社じゃあ違う。人件費がかかってる。
使えない人間は使えないなりに、とことん利用される。

一人ひとりの個性なんてどうでもいい
会社が儲けることが大事。個人の感情なんてどうでもいい。
どういう個性があろうが、どういう気持ちで生きているかなんてどうでもいい。
会社が儲けるためだけに、一部の人間が利益を獲得するために存在しているのだから。

体罰をふることになる
どんな手をつかっても儲けようとするのだから、当たり前の手段。
あの手この手で追い込んでまでも稼がせる。罵倒して精神追い込み、休みなく働かせまくって肉体的追い込みと。パワハラ。

こうしてみると、これはブラック企業ではないかしら?
部活という形だと、どこか問題ないように見えて、会社と例えると問題ありあり。
なんとも、不思議。
もちろん、「これはブラックじゃない、これは人生で正しいことだ!」という人もいるのでしょうね。

このように考えると、勝つことが目的の部活によって育った子達によって、ブラック企業が増えるのではないかと思ってしまうわ。
子供は素直なのだから。教えられたことを実践するのだから。

目的と目標は違う

もちろん、「勝とう!」と頑張るのはイイこと。

目標をたて、それを達成に向けて頑張るというのも生きる上では大事。
厳しい試練に打ち勝ち、忍耐強く、物事に立ち向かっていくことも大事。

しかし、勝つことは「目標」ならいいけれど、「目的」になってはいけないわ

生きるための教育が目的だったのに、勝つことが目的となると、それは何のためにやっているのかわけがわからなくなる。
勉強のために、勉強をしてるようなもの。
本を読むために、本を読んでいるようなもの。
働くために、働いているようなもの。

そして、それによって一番問題なのは「何が大切なのかを見失うこと」ね。
特に生徒を、その子自身を見失うこと。それが怖い。
見えなくなって忘れる。見失ったら何が起こるかは明白だわ。

今の学校や教師、親は何のために部活があると思っているのかしら?

おわり

勝つことが目的の部活だと、ブラック企業が増える。
だから、巡り巡って今現在ブラック企業なるものが増えるというお話。

さらに最近では、「先生は忙しいので、部活の指導者は外部の人間を雇った方がいいのでは?」という話があり、心配かな。
先生なら絶対にイイというわけじゃないけど、先生は多少なりとも教育の勉強はしてるけど、外部の人はそんなこと勉強してないだろうし。
なので、今後はより「勝つための部活」というのは増える気がするわ。そりゃあ、雇われた以上、結果を出さないとね。本人の存在意義として。
なので、社会もつられて、さらに「儲けるための会社」が増える気がする。

しかし、昔から「勝つことが目的」みたいな部活がないわけじゃない。
でも、今よりは「生きるための教育」がどこかに含まれていたように思うし、今はそれが薄く感じられる。
何かそんな違和感を感じる。

やっぱり、みんな「忙しい」せいなのかな。
最近の先生達は、年々忙しさが増してるというし、そんな教育がどうのこうのなんて間に合ってなさそう。
もちろん、それだけじゃなく親も忙しいし、学生もやること多くて忙しいし。
そして、人口がへって、働く人材が少なくなって忙しさが増してるし。なんだかんだ景気よくなってるというけど、そうでもなくてお金なくて忙しいし。
また、個人一人ひとりは、他人のことより自分のことに忙しいし。最近は、国までが自分のことに忙しいし。
みんな、なんだかんだ忙しい。忙しいパレードね。

「忙しいとは、心を亡くすこと」というけど、なんともイイ言葉。
さらに具体的に言いかえると、「忙しいとは、目的を見失うこと」かもしれないわ。
忙しいから、みんな目的を忘れちゃったのかな。

やっぱり、忘れてしまったら、元の場所にもどったらいいんじゃないのかしら。
不思議と思い出すかも(微笑)