本質感

世の中の出来事や日常をモチーフに、「セカイの本質」を考えみつける思考ブログ。物語とユーモアをまじえ、「あらたな視点」をあなたに

「普通」になっていく芸能人

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あるアイドルの話。
1人のアイドルが、デパートの小さいステージで歌っている。
誰も彼女のことを知らないし、彼女の歌を聴いている人もまばらだ。
でも彼女の笑顔は、彼女の輝きは、たしかにそこにあった。
彼女の輝きの元は何なのかしらね?

 芸能界デビュー視点蝶

こんにちは、視点蝶です。

最近、テレビをみていると違和感を感じるわ。
どうも最近の芸能人に、魅力を感じなくなってきた感じがする。
ただそういうのを見慣れてきたせいなのか、他に興味がたくさんあるせいなのか。

で、考えてみてわかったのよ。
それは、今の芸能界は「普通化」が進んでいるからだったわ。

そういうわけで、今回は「主人公」のお話。

主人公の作り方 「憧れ」と「共感」

前提の話として。
物語の作り方で、魅力的な主人公を作るためによく言われることがあるの。
それは、主人公には「憧れ」と「共感」が必要だということ。

憧れ」はすごい憧れるようなところ。
カッコいい、強い、頭いい、能力がある、異常に性格がいい、超クール、有名人とか。
他には、ワル知恵が働くとか、太鼓持ちが得意とかも憧れになるわ。

共感」は感情移入できるような、普通の一面といえばいいかな。
「ああ、私と同じじゃない」と思うような。
超クールで強くカッコいい主人公。でも、オタクな趣味があるとか、ニートとか、部屋はゴミ屋敷とか、女性が苦手とか、母親にはいつもガミガミ怒られているとか、自分の子供には弱いとか。

主人公は「憧れ」だけだと距離が遠すぎて、現実味がなさすぎて、あまり好きになれない。
「共感」があることで、親近感がわき、感情移入ができ主人公を好きになれるの。
だからその2つが必要となる。
バランスとしては、「憧れ」が強めで「共感」がそこそこあるとよいみたい。

芸能人の「憧れ」と「共感」

もちろん「芸能人」も、物語の「主人公」のようなものよ。

「憧れ」と「共感」があり、物語の主人公のようにみえ、ファンは熱狂するわ。
容姿や芸の憧れがあり、時々みせる普通の人のような共感があり、好きになる。
人気の出る人は、この両方がある人ね。

そういう法則に気づいたのか、何年か前から芸能界は「憧れ」だけでなく、強く「共感」を押すようになったわ。

バラエティとかに全然出なかった俳優を、どんどん告知で出すようになった。
またアイドルもAKBのように、特別な子というより普通に近い子をたくさん出すようになったし、簡単に会えるようになったりしてる。

視聴者は、憧れだけでなく共感を明確にもち、より彼らを好きになったでしょうね。
AKBが異常に人気が出たのはそういう面もあるかしら。
そういう試みが成功したといえる。

強くなっていく「共感」

しかし最近は「共感」ばかりが強くなっている気がするわ。

「憧れ」と「共感」は天秤のようなバランス。
「共感」を押しすぎると、もちろん「憧れ」が下がる。
「共感」だけが強くなると状況はまずくなる。
なぜかというと「芸能人(主人公)」でなく「普通の人」に近づいてしまうから。

なのに最近のテレビでは、どんどん「共感」を押し出し、「憧れ」をみてる暇が全然ないほどよ。割合的には、共感8で、憧れ2ぐらいに感じられるし。

例えば、アイドルのAKBのメンバーが、チラチラといろんな番組にでる。
しかし彼女らの「憧れ」の部分であるアイドルという部分、特に歌をあまり見たことない人は、ただ普通の一面、「共感」を見せられているだけになってしまうわ。
さらに彼女らは人数が多い分、その傾向が強くなるし。
しかも最近は、音楽番組自体も減っているし。

俳優でもそう。
彼らの「憧れ」である映画やドラマ、舞台などを知らずに、バラエティなどの告知で普通の一面、「共感」ばかりみせられるわ。
最近は告知もやりすぎというぐらいに、あちこちの番組に出ている。
視聴者によっては、作品みるより、告知でみてる時間が長いという人もいるかもね。
さらに最近は、新しい人がどんどん出ているので、急に知らない人が出てきて、いきなり「共感」を見せられるという状態。

たぶん視聴者はこう感じていると思うわ。
テレビに出てるから、たしかに容姿も素敵で、芸もありそうなんだけど、何かそれほど強く魅力を感じれらない…
それはそうよね。「憧れ」ちょっとで、「共感」ばかりしか見ていないのだから。
そして「普通の人」をみているのだから。

「普通の人」とまではいわないけれど、それはまるで「クラスにいたちょっと優れた子」に近いようなものといえるわ。
毎日のようにクラスで見ていて知り合いで、私よりちょっと優れたクラスメイト。

まあ、テレビの悪いところなのよね。
一度成功したら、ワンパターンのようにそればかりやる傾向にあるし。
どの局も同じように。
冷静に考える人は誰もいないのかしら?

まとめ

というわけで芸能界は「普通化」が進んでいると思うわ。

普通化が進むとどうなるか、それは明白。
普通の人をみて、面白いと思うかしら?
いえ、面白くない。だれも普通の人になんて興味ないし。
普通の人までもいわなくても、クラスでちょっと優れてる人の芸なんてあまり興味はない。
最近、テレビがつまらなくなったというのは、そういう面もあるでしょうね。

まあ、でも日本人は「普通の人」が好きだからそれでいいのかしら?
普通の人を見ていたいという人も、けっこういそうだし。
すれば多くの視聴率は稼ぐことはできないが、そういう人達を安定的にとりこめる。
でも、そこに落ち着いたら、本当に日本のテレビは終わりなるわ。

やはり、結局人がみたいのは「輝き」ですしね。

(おまけ)制限されるテレビ業界

テレビがつまらなくなったというのは「制限」もあるだろう。
いろいろな制約。
昔はハチャメチャやっていたのに、どんどん制約ができ大人しくなっていった。
視聴者が文句をいったら、大人の事情で制限、制限となり。

普通の人と違う」のが芸能人なのに、「非日常」が芸能界なのに、どんどん「現実的」に。
物語性は失われ、現実へ。「普通」へ。

そうなると過激なネットやゲームのほうが面白いですよね。
まあネットも昔に比べ、制限されてきてますけど。

もしかして、そのうちネットもつまらなくなる日がくるのかしらね。